ここではハーバリストである私、山澤 拓のハーバリストとしての季節ごとの作業、簡単なレシピ、なんとなくぼんやり感じている事を書いていきます。
読者の方は北から南までいらっしゃると思いますが、ハーバリストとしての作業内容は山形県の豪雪地帯のお話です。季節のズレがありますので関東以西の方はほとんど参考になりません。ごめんね。
簡単なレシピについては簡単なもの、二手間くらいでできる物を紹介します。皆さん忙しいのに手間のかかるレシピ書いてもねぇ。ぱぱっとできる物だけね。
ぼんやりと感じている事に関しては、その時々に感じている事、心に引っかかっている事、たわいもない事をつらつらどうでもいい事を書いていきます。
ハーバリストのお仕事
さて、東北では本格的な冬が訪れます。日本海側では曇天が3月まで続き、雪が降り積もります。
南国原産のハーブは意外と0℃位までは持ちこたえますが、大抵は雪に触れて折れたり霜焼けになったりして枯れますので、室内に避難させます。
寒くなり、ハーブを避難させ、雪が降り、気温がグッと下がって、ハーブが休眠期に入り活動しなくなった今やることは、
レモングラスの株分けです。
根っこごと掘り起こして、暖かくなる来年の4月位まで水もかけずに置いておきます。
地植えのままだったり掘り返したものに水を掛けると、苗が吸水してそのまま内部から凍ってしまいます。
難しい事はなにもありません。掘り出したレモングラスの株をペキペキと手で割っていくだけです。
小さい鉢に植え替えたいのでしたら小さく、来春に地植えするようでしたら3~4株分に割れば良いです。あとはそれぞれ乾燥しすぎないように土をかぶせたり軽く濡らした新聞紙をかぶせたり、ビニール袋にまとめておけば大丈夫です。
鉢の場合は来年の3月に、地植えの場合は雪が解けたら植え替えしましょう。
簡単なレシピ
レモングラスの茎も出ましたので、香りの良いシロップを作りましょう。
準備するもの
砂糖と水と好きな香りのハーブと蓋付きの空き瓶
①砂糖と同量の水を沸かしてシロップを作ります
②瓶にハーブを入れ熱々のシロップを注ぎます。
③3日程でシロップに香りが移り、できあがり。
ミント、ローズゼラニウム、ラベンダーなどがおすすめです。ブラックベリーの実を入れると真っ赤なシロップができます。超キレイよ。
なんとなく考えている事
マルシェやお祭りでハーブ苗を出店している際に、興味がありそうなお客様に必ずお聞きすることがあります。
お家にハーブ植えてますか?と。
多数のお客様は、ありますがボーボーになってます。何に使えばいいの?とお答えになられます。
悲しいねぇ、ろくに使い方の説明もせず、ただ売るだけの業者の何と多いことよ!
もしあなたがハーブに興味があり、私に出会う機会があるならば、お腹がすいて白目をむくまでハーブの質問に答え続けられるのに。
私は15歳でハーブ研究所に入社した時に、ハーブの事を覚えようと専門書を何冊もあさって勉強していましたら、3日もたたずにハーブの師匠(日本の有機ハーブ農法の父ともいわれる人)から
そんなもん二度と見るな!全部実地で覚えろ!
と言われ、それから25年間すべて実地で覚えてきました。失敗もたくさんしましたが、紙では伝わらない情報を感覚でキャッチできる能力が身に付きました。
目からは太陽光の強弱、耳からは風の強弱、鼻からは土壌の酸素濃度とハーブの香りの強弱、口では土を口に含み咀嚼して土と砂との割合とおおよそのPH値、触っては土壌の水分量とおおよその水はけ。それをハーブにフィードバックできる技術。確かに本を熟読しても得られない、感覚的な技術。
春になったら種をまき苗を作り、夏になれば雑草を刈り、秋になったら収穫、冬になったら収穫したハーブの加工と雪かき。
それを25年。少年からおじさんになるまで繰り返し25年。
異性とキャッキャウフフする青春期は無かった。
しかし、多種多様なハーブ達と季節を共にした25年があった。
そんな変な人を私以外見たことがありません。実地で25年って結構重いよ。
いや、本の知識も悪くないけど大抵関東基準よ?本の通りに植えても東北の厳しい環境じゃ役にたたないよ。
それと身に沁みない。覚えてても忘れちゃう。
ハーブを楽しく使っていれば決してボーボーにはなりませんよ。使い方、メンテナンスを教えない業者が悪いだけ。
次回からはハーブを育ててみたいけど、何を買えばいいのかわからない方が多いので、そこらへんの事を書いていきますね。
冬だからあせらずゆっくり選びましょうね。またね。