12月中旬、山形でついに雪が降りました。近年は年明けも降らないことが多く、「ついに地球温暖化の影響で雪の降らない時代が来たか〜」なんて言っていたのはいつのことやら。今年の冬は雪が多いようです!
さて冬の季節、皆さんの体の調子はいかがですか。寒い時期は古傷が痛んだりしますが、普段から寒さが苦手な人にとって冬の冷えは本当に厳しいもの。外出する気分にもなれず、気持ちも内にこもってしまいがちです。せっかく家で過ごすなら、体も心もエネルギーが満たされることをしてみてはいかがでしょう。
今回ご紹介するのは「ギー」。ギーはインド古来より薬用および食用として使われてきた精製バターです。インド料理屋さんのカレーやナンがコクがあって美味しいのは、このギーが使われているからですね。簡単な作り方としては、無塩バターを加熱してたんぱく質と糖分と水分を除去し、ほぼ脂肪だけになったものをギーとして保存します。保存期間は常温で半年〜1年ほど。実はこのギー、単に美味しいだけでなく、寒がりさんにとっても、暑がりさんにとっても薬用効果を期待できる健康食品なのです。
◎ギーに期待できる効能
・消化促進
・疲労を回復する
・精神的な落ち着きを手にする
・神経系や脳の若返りの強壮剤として
・胃腸障害の改善
・便秘の改善
・インドの研究によると総コレステロールを下げ、善玉コレステロールを増やす
・声や顔色をよくする
・傷口の治療薬として
・灼熱感や貧血など血液の異常を軽減する
◎作り方
材料
・無塩バター(400g)
用意するもの
・煮沸した瓶
・リードクッキングペーパー
・ホーローまたはステンレスの鍋
・ざる
・ボウル
1、鍋に無塩バターを入れ、火にかけて溶かす
2、無塩バターがすっかり溶けたら、弱火にする
3、加熱し続けると、大きな泡が出てくる(水分がなくなり、タンパク質が分離)が、さらに加熱する
4、加熱を続けると泡が細かくなり、甘い香りがしてくる。透き通った黄金色となり、なべ底に沈殿物が見えてくる
5、火を止め、リードクッキングペーパーで漉す
6、保存容器に入れて常温保存。水分が入らないように注意する
point!
バターが溶け始めたら、極力かき混ぜないようにすることです。火の加減を調節して焦がさないように気をつけましょう。
出来上がったギーは、バターの代わりに幅広く料理に使うことができます。トーストに塗ったり、えのきやほうれん草など野菜のバター炒めにも。ホタテをギーで焼いたり、ステーキをギーで焼くとお肉が美味しくなります。カレーの隠し味にはもちろん、クッキーやホットケーキに混ぜたり、コーヒーに垂らすとコクのあるバターコーヒーにもなりますよ。美味しいだけでなく、体にとっても健康的な食材であることが嬉しいですね!
ちなみにインドのスーパーへ行くと、さまざまなメーカーのギーが何十種類もずらり。選ぶのが迷ってしまうほどですが、それだけインドのキッチンになくてはならない調味料の一つなのです。
日本ではどこでもギーを買えるわけではないので、無塩バターから手軽に作ることができるのは助かりますね。それに実際にギーを作ってみるとわかるのですが、家中が甘い香りに包まれて、なんだか心まで幸せいっぱいになるのです。家で何をして過ごそうと迷った時には、ぜひギーを作ってみてはいかがでしょう。寒い季節も、暑い季節も、ギーで健やかに過ごしましょう。